
「無所属で活動」
「もっと市民のそばで、市民の声を活かす市政を」この思いを胸に、今期は無所属議員として活動をスタートいたします。
国政政党に所属する会派には属さず、地域の現場に根ざした視点で、安心・安全なまちづくりに取り組みます。
皆さまの声が市政に届くよう、日々の対話と行動を大切にしてまいります。
「屋内運動場について」
屋内運動場で避難設備が導入される事になり、導入にあたり基本調査が実施されました。
平時の運動施設としての実用性だけでなく、災害時の復旧性や避難所機能としての役割も重要な視点です。
奈良市の計画では、スポットクーラーなど電気式が有力候補となっていますが、災害対応の観点からは、以下のような検討が必要です。
災害時の復旧性と空調方式の比較
観点 | 電気式(スポットクーラー等) | ガス式(GHP等) |
---|---|---|
停電時の稼働 | 原則不可(非常用電源が必要) | 一部稼働可能(ガス供給が維持されれば) |
復旧の早さ | 電力インフラ依存、復旧に時間がかかる場合 | ガスインフラは比較的早く復旧する地域も |
避難所としての機能性 | 非常用発電機等の併設が必要 | 単独でも一定の冷房機能を発揮 |
導入コスト | 初期導入コストが安価 | 高価(補助金活用が前提) |
維持管理 | 比較的容易 | 専門業者による定期点検・維持が必要 |
奈良市の現状と国の支援制度
奈良市では、2026年度までに市立小中学校体育館へ空調設備を整備する計画が進行中で、
国の「緊急防災・減債事業債」や「空調設備整備臨時特例交付金」を活用する方針です。
これらの制度では、避難所機能の強化が補助要件となっており、災害対応力のある設備が優遇される可能性があります。
災害対応を踏まえた導入方針の整理
非常用電源の整備 電気式を選ぶ場合は、避難所指定校に非常用発電機の設置もセットで検討しなければならないと思います。
ハイブリッド方式の検討 主要避難所にはガス式を導入し、それ以外は電気式でコストを抑える山間地域・その他地域性を考慮する必要があります。
地域インフラ復旧シミュレーション 電力・ガスの復旧見込みなどを地域ごとに分析し、最適化。
市民説明資料の整備 災害時の空調稼働体制を含めた説明資料を作成し、安心感を提供。
非常用電源の整備状況(全国調査より)
文部科学省の令和6年11月時点の調査によると:
- 非常用発電機整備済みの避難所指定校:全国で77.2%
- 冷房機器の整備済み校:85.5%
- 断水時トイレ対策済み校:75.1%
奈良市の対応課題と将来方針
全国平均を踏まえると、奈良市においても一定数の学校に非常用電源が整備されなければなりません。
しかし、スポットクーラーなどの容量の大きな発電機は備えていないため電気式空調を導入する場合には、
非常用電源の有無が稼働可否に直結することになります。
しかし、本市では、他市町村団体との災害協定などによる貸し出しを前提として考えていることは実態に即していません。
今後の導入にあたり、リスクを最小限にとどめ避難所環境を改善していきます。
しなと 幸一 (奈良市議会議員)