令和6年度を振り返り(しなと幸一 NEWS Vol.20)
前奈良県議会議員 しなと幸一
2025年も1ヶ月が過ぎ1年で一番寒さが厳しい2月を迎えます。
奈良では東大寺の二月堂で3月1日から14日まで行われるお水取りが終わるまでは春が来ないと言われています。
※(正式名称は、東大寺二月堂修二会)。752年から苦行法師が創始され戦乱や災害で中断されたことが一度もない「不退の行法」とされています。
『令和6年度を振り返り』
令和6年度は、透明性の高い行政運営を行う持続可能な財政基盤を確立し施策を進めるために、経費の見直しなどの改革を進めつつ、行政サービスの低下を招かないよう調整を図る必要がありました。
県の課題は様々ですが、以下に代表的な取り組みや課題を挙げます。
1. 予算概要
- 令和6年度予算:過去最大規模(1兆812億円)
- 一般会計:約1兆218億円(前年比107億円増)
- 財源内訳:国からの交付金・約36.7%(596億6000万円)、県税・地方消費税・県支出金・その他で約31%(約505億1000万円)
自主財源が約30%と少ない県実態の支出金に頼っている部分があります。
2. 重点事項(落財等)にどのように施策に活かされているか
① 本庁舎耐震工事
- 経過:3年もかかっているが、ZEB化(サッシや空調設備の入れ替え)を予算内に計上し、議会に説明が無かった。
- 指摘:「透明性の高い行政運営か?」
② 学校統廃合
- 小学校・保小一体校の統廃合(人口減少対応)
- 住民説明・合意のないまま進行。例:桜井市立安倍小学校と幼稚園統合案→否決。令和7年度に削除予算組み直し。
③ 新クリーム(医療関連)
- 大和郡山市の県立病院が経営赤字を超える結果。
- 見直し(過去の診療経費カット)と病院機構改革の実施。
④ 基幹インフラ老朽化
- 奈良市でも管路導管(下水道等)の更新時期到来。
- 調査と更新計画が急務(放置で事故可能性あり)
『県域水道一体化』
奈良市が参加していないことは確かに懸念材料です。 人口減少が進む中で、持続可能な事業を維持するためにはいくつかの考慮すべき点があります。
1. コストと収益のバランス
- 水道事業のコスト抑制と収益確保の戦略
- 水道料金見直し・節水促進などの施策導入が考えられる
2. 地域連携
- 他自治体との連携強化で共同効率的な運営が可能に
- 地域全体での協力体制が必要
3. 技術等更新
- 最新技術導入により効率的水利用や浄水プロセス改善
- コスト削減とサービス向上の両立
4. 持続可能な水資源管理
- 地域の自然環境に即した水資源計画の策定が必要
『地域自治協議会』
地縁組織であります自治会は存続の危機にあります。
少子高齢化社会で人材不足、担い手不足だけでなく生活スタイルの変化により、現役世代の参加が見込めないことが大きな要因と見られます。
奈良市では認定団体として地域自治協議会を進めようとしていますが、現在49地区の連合会中17会議が設立に留まっています。
要因として地域性はありますが次のように考えられます。
1. 東部山間部
- 若者の流失
- 人口減少が進んでいるが隣近所のつながりは強く体制変化が必要
2. 都市部
- 現役世代の参加が見込めず個人主義体制に変わりつつある
- 自治会の世帯数が減少して役員がいない手詰まり感が出ている